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【会計学編】全経上級の過去問対策を効率よく進めるために

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こんにちは、床の間 天です。

 

全経上級の対策として、過去問を、これでもかー!、というぐらい何周も(10周)解きまくり、試験に挑みました。

結果として、過去問対策が役に立った設問役に立たなかった設問があります。

これからみなさんが効率よく過去問対策と傾向把握をしていくにあたり、この記事を参考にいただければと思います。

 

[留意点]

本記事では全経上級第185回~205回の過去問をベースに紹介します。

出題傾向については突如変更されることがある旨、ご留意ください。

 

今回は会計学について紹介していきます。

 

出題傾向

会計学商業簿記と合わせて1時間30分で解答する必要があります。

商業簿記編でも書きましたが、基本的に時間は余らないと思ってください。

出題傾向としては、例年3題で出題されており、ほぼ理論(記述)問題です。

計算問題は、体感として10%未満でしょうか。

計算問題なし、オール理論(記述)問題の回も何回かあります。

 

問1は✕問題が10問出題されます。

問2は企業会計原則の抜粋からの出題が多いです。

問3は回によってマチマチですが、キャッシュフロー計算書(以下CF)財務分析が問われることが多いように思います。

 

過去問対策

会計学ほぼ理論(記述)問題ということで、日商1級ダブル受験組もしっかり対策しておきましょう。

〇✕問題(問1)

時々、過去問と全く同じ問題が出ることもあるので、過去問対策は必須です。

✕の場合は、正しい文章を解答欄内に記述するので覚えると思いますが、解答が〇の文章であっても、文章を覚えて(理解して)おくと、問2や問3の記述で引用できる場合があります。

 

企業会計原則の抜粋(問2)

まず穴埋め問題が聞かれ、その後で、文章内に引かれた下線について、理由や問題点について聞かれるのが、オーソドックスな構成です。

 

正直、会計学の中では問2が一番対策が難しいと思います。

ほぼ毎回違う論点が抜粋されていますので、本気で取り組むなら企業会計原則を網羅的に勉強しておく必要があります。

 

しかし、多くの方はそのような時間が取れないと思いますので、過去出題された問題の模範解答問1の文章を覚えて(理解して)おき、それらを引用しながら部分点狙いで解答しましょう。

会計処理の根拠については様々な考え方があるため、模範解答の文章を覚えて(理解して)おくだけでも、色々な問題に応用できます。

 

そうは言ってもやはり対策しておきたい!」、という方はこちらの問題集をおススメします。


税理士 財務諸表論 理論答案の書き方 第6版 [ TAC株式会社(税理士講座) ]

 

税理士(財務諸表論)向けの問題集ですが、巻末(ワークブック)の企業会計原則重宝しました。

どのような点で役立ったかをまとめておきます。参考にしてみてください。

①パーッと見ておくだけでも、頭の中が整理されたり、そうだったのか!、と気付かされることが多い。

②普段、機械的に計算処理するところがどのように文章化されているか、一読の価値あり。

③時々遭遇する、聞いたことがない、または聞いたことはあるけど、うまく説明できない専門用語を調べておき、説明できるようにしておくと、それをまた解答に引用できたりする。(例えば、低価法、クリーン・サープラス関係など)

③については、理論(記述)問題全般に言えることですが、自分の言葉で説明できる状態にしておくことはとても大事です。

 

CF、財務分析(問3)

CF(キャッシュフロー計算書)か、財務分析の問題が多いように思いますので、ここではこの2つに絞って紹介します。

※問2に引き続いて問3も企業会計原則から、穴埋めと記述が出題されることもありますが、その場合は基本的に問2と対策方法は同じです。

 

■CF

CFでは計算+記述が問われることが多いです。

過去問では色々なタイプのCFの問題が出題されているので、過去問での対策は必須と思います。

 

計算については、CF計算書を作成する場合もありますし、営業収入や仕入支出など、1項目の金額のみを解答する場合もあります。

項目名も併せて、CF計算書が作成できるようにしておきましょう。

記述については、CF計算書を作成させた上で、CFが大幅に減った理由を聞く問題や、利息と配当金の区分表示と根拠を聞く問題が過去出題されています。

 

ただ1点注意です。

最近だと、ほぼ直接法が問われていますが、間接法でも解答できるように予備校のテキストで演習しておきましょう。

 

過去問を当てにし過ぎると過去問以外の問題が出た時に、基本的な問題であっても、全く解答できなくなります。

この最たる例として、過去NPV(正味現在価値)を計算させる問題が出題され続けていたのですが、第203回でIRR(内部収益率)を計算させる問題が出題されました。

基本的な論点ですが、もし過去問重視で勉強していれば解けなかったと思います。

これは原価計算の科目の例ですが、全ての科目に当てはまります。

予備校のテキストで基本論点は押さえておきつつ、本記事を参考に、過去問での対策が有効な設問や論点については、過去問を使って対策していきましょう。

 

■財務分析

財務分析は日商1級の範囲外なので、ダブル受験組も過去問を使って対策しておきましょう。

 

財務分析も計算+記述が問われることが多いです。

計算については、言うまでもなく、財務分析指標を計算させる問題が出題されます。

記述については、財務分析指標を計算させたうえで、その指標の意味や問題点、その問題点を補う指標は何か、等について過去出題されています。

 

まずは過去問を使っての対策が最低限必要です。

そのうえで、過去問で扱われていない財務分析指標の計算方法、意味、財務分析指標同士の関連性を、予備校のテキストなどで押さえておくといいでしょう。

 

しかしながら、財務分析は中々奥が深く、予備校のテキストでは概念上の指標の意味や計算方法についての説明はあれど、実際の使われ方については詳細に記載されていないことが多いのではないかと思います。

 

もし予備校のテキストよりも深く財務分析指標を理解したい方は、こちらのUdemy講座がオススメです。

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【図解でスッキリ!】いちばんわかりやすい「財務分析指標」マスター講座

 

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ご興味ありましたら他の講座も探してみてください。

 

まとめ

今回は会計学について紹介してきました。

以下に要点をまとめておきます。

各問共通

自分の言葉で説明できる状態にしておく。

予備校のテキストで基本論点を押さえた上で、過去問での対策が有効な設問や論点については、過去問を使って対策する。

 

◯×問題(問1)

過去問対策は必須

解答が○の文章は、文章を覚えて(理解して)おくと、問2や問3の記述で引用できる。

 

企業会計原則の抜粋(問2)

会計学の中では問2が一番対策が難しい

・過去出題された問題の模範解答や問1の文章を覚えて(理解して)おき、それらを引用しながら部分点を狙う

・きっちり対策するなら税理士財務諸表論の問題集がオススメ。

 

CF、財務分析(問3)

■CF

過去問対策は必須

項目名も併せて、CF計算書が作成できるようにしておく

・直接法だけでなく、間接法も対策しておく。

■財務分析

過去問対策が最低限必要。

・過去問で扱われていない財務分析指標の計算方法、意味、財務分析指標同士の関連性は予備校のテキストで対策しておく。

・予備校のテキストよりも深く学びたい場合は、Udemyの講座などを利用する。

 

閲覧いただきありがとうございます。

次回は工業簿記について紹介していきます!

 

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